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New2025年度 人工知能学会全国大会にて、「全国大会優秀賞」受賞!

2025年11月13日

海洋研究開発機構とのAI技術に関する共同研究成果を発表

古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下、当社)は、2025年度 人工知能学会全国大会(JSAI2025)において、海洋研究開発機構(所在地:神奈川県横須賀市、理事長:大和 裕幸、以下 JAMSTEC)との共同研究による研究成果「マルチスケール型GNNに基づく海況予測モデルによる全球10日間予測」を発表し、全国大会優秀賞を受賞しました。

本研究では、JAMSTECとの共同研究を通じて、革新的なAI海洋予測技術を開発しました。従来の物理シミュレーションでは、海況の予測に数時間〜数日を要していましたが、本技術では人工知能を応用することで、わずか数分で10日先の海況を予測することが可能となります。この成果は、海運・漁業・防災など幅広い分野への応用が期待されており、学術的にも高く評価されたことから、今回の受賞につながりました。

受賞内容 ※以下、抄録(原文掲載)

タイトル「マルチスケール型GNNに基づく海況予測モデルによる全球10日間予測」

海況の正確な予測は船舶の効率的な運航や漁業活動において不可欠であるが、微分方程式に基づく数値計算を用いた予測は多くの計算時間を要する。この課題への対応として、機械学習を活用した代理モデルが様々な分野で報告されているが、全球海況予測への適用は限られている。本研究では、代理モデルを用いた10日間の全球海況予測の可能性の探索を目的とし、マルチスケールな特徴を扱うGNNに基づく海況予測モデルを開発した。特に、格子状の海況データに加えて海表面の気象予測データを結合したものを入力とし、気象が海況の表層付近に及ぼす変動をモデルに反映させた。
この効果を評価するため、気象予測値の代わりに平年値を入力し、再解析値を真値としたRMSEを比較した。その結果、主に短いリードタイムにおける表層の流速について、両者の差が現れた。特に、東西流速について、予測10日後ではRMSEの差はほとんど確認できないが、予測3日後では気象予測値を入力した場合の方が、RMSEが18.5%減少していた。この結果は、代理モデルを用いた海況予測においても気象情報が重要であり、開発したモデルがその情報を活用できている可能性を示唆している。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2025/0/JSAI2025_3R4OS2701/_article/-char/ja

【著者】平林 祐太(海洋研究開発機構)、松岡大祐(海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 上席研究員)
木村 考伸(古野電気株式会社 技術研究所 第1研究部 知能制御研究室長)

今後も当社の強みであるセンシングや信号処理技術にAI技術を活用することで、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を目指し、新製品への展開も含めた製品価値の向上を図ってまいります。

GNN:Graph Neural Network(グラフニューラルネットワーク)の略。ノードとエッジで表されるデータ構造を扱うために設計されたニューラルネットワークの総称。

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