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ニュース詳細

New旭タンカー株式会社および山口県漁協と、「ブルーカーボン創出」に向けた連携を開始

2026年05月18日

超音波技術を活用し、海洋環境の可視化を推進

古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野 幸男)は、このたび、旭タンカー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:春山 茂一、以下 旭タンカー)および山口県漁業協同組合(本店:山口県下関市、代表理事組合長 森友 信)と、持続可能な里海づくりの推進を目的とした連携を開始しました。本連携は、海運会社が漁業者に魚群探知機(以下、魚探)を提供し、漁業活動と両立した形で海洋環境モニタリングを行うというこれまでに例のない環境保全モデルを特徴としています。操業時に収集した魚探データを活用し、藻場の分布や育成状況といった目に見えにくい海の変化を継続的に可視化することで科学的根拠に基づくブルーカーボン創出に取り組みます。


左から)旭タンカー株式会社 常務取締役:中野 道彦、山口県漁業協同組合 吉佐統括支店長:徳冨 暁江、
古野電気株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CMO:矮松 一磨

概要

本連携に基づき、旭タンカーは藻場保全を目的に当社から魚探を購入し、藻場モニタリング用として漁業者へ提供します。山口県漁業協同組合(吉佐統括支店)は通常の漁業活動に加え、藻場が分布する海域を航行することで操業と両立したモニタリングを実施します。漁業者が日常的に海と向き合う中で得られるデータと知見を生かし、持続可能な形で継続的な観測を行います。
古野電気は、防府市沿岸海域を中心に魚探を通じて取得したデータを解析し、藻場の分布状況や生育状況を可視化することで海洋環境を定量的に把握する取り組みを推進します。三者では今回の連携を通じて、環境保全と産業活動を両立させた新たなブルーカーボン創出モデルの確立を目指します。


  • 野島沿岸海域の藻高分布図とカメラ映像


  • 野島沿岸海域の水深・底質・藻高さ分布

旭タンカー株式会社 常務取締役 中野 道彦

当社は「未来の海に、こたえを」を合言葉に、100年続く海運企業を目指しています。エネルギー海上輸送事業の重要なフィールドであり、創業の地でもある瀬戸内海において、藻場再生によるブルーカーボンの創出、EV船の知見を活かしたゼロカーボン海上交通、再生可能エネルギーを活用した島嶼部のエネルギー自立など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
今回の取り組みは、これまで共に歩んできたパートナーの皆さまとの協力関係をさらに深化させるものであり、本取り組みを通じて、瀬戸内海における持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

山口県漁業協同組合 吉佐統括支店長 徳冨 暁江

水温上昇など海洋環境が大きく変化する中、私たち漁業者にとって水産資源を増やし、育むとても重要な場である藻場が減少しつつあります。このため、私たちは令和5年に「防府市藻場造成による豊かな里海づくり協議会」を設立、海藻にやさしい鋳鉄製の魚礁設置や海藻(草)を食害する魚「アイゴ」を美味しく食べて豊かな里海をつくる取り組みを進めてきました。今回の連携は、これまで見ることができなかった藻場を可視化するものであり、私たちの取り組みの励みになるとともに、効率的な藻場造成に寄与できるものと大いに期待しています。

古野電気株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CMO 矮松 一磨

当社は長年にわたり海と向き合い、航海の安全や漁業の効率化を支えてきました。今回の取り組みは、海への貢献を目的に推進している海を未来にプロジェクトの一環であり、これまで培ってきた技術を“未来の海を創る”という新たな目的に活かす挑戦でもあります。藻場の育成やブルーカーボンの促進には、目に見えにくい海の変化を捉えることが不可欠です。だからこそ、私たちの見えないものを見る技術が役立つと信じています。
2050年の未来社会コンセプト「Ocean 5.0」の実現に向けて、「海の恩恵をすべての生きるものが受け、さらに海へ恩返しする未来」を描き、現場の声に耳を傾けながら持続可能な海の未来を築く一助となれば幸いです。

漁業者の声

山口県漁業協同組合 吉佐統括支店 運営委員 栗林 昭博

  • 今回の取り組みの結果として、海藻(草)が増えることで魚の産卵場所が広がり、多くの魚が集まる豊かな海へとつながっていくことを期待しています。海の環境が少しずつ良くなり、その変化を実感できることは日々海と向き合う私たち漁師にとって何よりの喜びです。この取り組みが将来にわたって安定した漁業の実現や、次の世代へと豊かな海を引き継いでいくことにも結びつくと感じています。私自身も船を走らせながらデータを収集することで、ブルーカーボン創出や海洋環境の改善に向けた取り組みに少しでも貢献できれば嬉しく思います。

今後も事業ビジョンである「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」に向け、海洋環境保全に貢献する技術開発と社会連携を進めてまいります。

※未来社会コンセプト「Ocean 5.0」とは…海洋の未来や社会環境をテーマにした論文や、書籍など、様々な文献をもとに2050年に到来するであろう世界を当社が予測して描いた未来社会コンセプト。過去、現在、そしてこれからの海の未来を「Ocean 1.0」から「Ocean 5.0」の5段階に分類しており、「1.0 海の恩恵を発見」「2.0 海へ自由に航海」「3.0 人類中心で海の支配」「4.0 持続可能性の模索」と続き、2025年現在は「Ocean 4.0」の時代を生きていると定義している。

海に育てられた企業として、海を“未来”につなげていく

身近な海の魅力を伝えることで「好き」になってもらう。好きになったものは「守りたい」と思う。
一人でも多くの行動を後押しすることで豊かな自然を守り、「海を未来につなげていきます。」

海を未来にプロジェクト
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