古野電気株式会社 舶用機器事業部
初回更新:2018年08月03日
更新:2019年03月20日
更新:2020年04月02日
更新:2020年06月03日
更新:2021年09月10日
平素より当社製品をご愛用いただき、厚く御礼申し上げます。
さて、船舶用GPS受信機およびGPS内蔵機器のうち、下記対象機器につきましては、2018年8月5日および2019年3月17日以降、GPS時刻のロールオーバー問題により、不具合が生じる可能性があります。
お手数をおかけしますが、下記対象機種をお使いのお客さまで不具合が生じた場合は、以下の対応策を実施いただき、測位が改善されない場合は、担当営業または最寄りの支店・営業所へお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
注意:下記の発生日付は、当社製品で週番号のロールオーバーが発生する日付であり、米国国土安全保障省により公表されている2019年4月6日発生のロールオーバーとは異なります。異なる理由は米国のGPSシステムと当社の製品に使用されているGPSチップセットとの間で週を数える最初の日が違うためです。
2022年1月2日ロールオーバー発生機種のうち、簡易型船舶自動識別装置「型式:FA-50」の症状と対策を追記しました。
1.対象機器およびロールオーバー発生日
GPSロールオーバー発生日:2022年1月2日
GPS航法装置 |
GP-80 / GP-90 / GP-90-DUAL / GP-150* / GP-150-DUAL* / GP-70MK2 / GP-500MK2 / GP-32 / GP-33*(シリアルNo.6412-8194以前) |
DGPS航法装置 |
GP-37 |
GPS受信機 |
GP-320B / GP-330B (シリアルNo.4457-7001以前) |
GPSプロッタ |
GP-1640 / GP-188 / GP-280 / GP-380 / GP-680 / GP-8000 / GP-8000MK2 |
GPSプロッタ魚探 |
GP-1640F |
カラーGPSプロッタ |
GP-1650W / GP-1850W / GP-7000 / GP-3500* / GP-1800 / GP-1800MK2 / GP-3000 / GP-3050 / GP-3100 / GP-3100MK2 / GP-3300 |
カラーDGPSプロッタ |
GP-1650WD / GP-1850WD |
カラーDGPSプロッタ魚探 |
GP-1650WDF / GP-1850WDF |
カラーGPSプロッタ魚探 |
GP-1650WF / GP-1850WF / GP-7000F / GP-3500F*/ PS-8000 / PS-8000NK2 |
プロッタ魚探 |
PS-1000 |
レーダープロッタ魚探 |
FRS-1000 |
サテライトコンパス |
SC-30* / SC-50* / SC-110* |
船舶自動識別装置 |
FA-50** / FA-150* |
インマルサット |
FELCOM15* / FELCOM16* / FELCOM18* (シリアルNo.4507-4045以前) / FELCOM19* (シリアルNo.3599-2507以前) |
ウェザーステーション |
WS-200 |
狭水路航行援助装置 |
RS-1000 |
GPSロールオーバー発生日:2021年6月20日
GPS航法装置 |
GP-32 / GP-80 / GP-90 / GP-90-DUAL |
DGPS航法装置 |
GP-37 |
GPS受信機 |
GP-320B |
GPSプロッタ |
GP-1640 |
GPSプロッタ魚探 |
GP-1640F |
カラーGPSプロッタ |
GP-1650W / GP-1850W / GP-3500 |
カラーDGPSプロッタ |
GP-1650WD / GP-1850WD |
カラーGPSプロッタ魚探 |
GP-1650WF / GP-1850WF / GP-3500F |
カラーDGPSプロッタ魚探 |
GP-1650WDF / GP-1850WDF |
GPSロールオーバー発生日:2020年12月20日
インマルサット |
FELCOM15 / FELCOM16 |
国際船舶自動識別装置 |
FA-100 / FA-100-R |
GPS受信機 |
GP-310B |
GPSロールオーバー発生日:2019年3月17日
カラー潮流計 |
CI-1000 |
インマルサット |
FELCOM12 / FELCOM12-ALC |
レーダープロッタ魚探 |
RS-1000A / RS-1000C / FRS-1000A / FRS-1000B / FRS-1000C |
カラービデオプロッタ |
GD-280 / GD-380 / GD-680 |
GPSプロッタ |
GP-1600 / GP-1810 |
GPSプロッタ魚探 |
GP-1600F / GP-1810F |
カラーGPSプロッタ |
GP-1610C / GP-1650 / GP-1850 / GP-280 / GP-3210 / GP-380 / GP-680 |
カラーGPSプロッタ魚探 |
GP-1610CF / GP-1650F / GP-1850F |
カラーDGPSプロッタ |
GP-1650D / GP-1850D |
カラーDGPSプロッタ魚探 |
GP-1650DF / GP-1850DF |
GPS受信機 |
GP-310B (シリアルNo.3453-4870~5686) |
GPS航法装置 |
GP-31 / GP-80 (シリアルNo.2477-8733~ 9969, 3457-0001~ 3276) |
DGPS航法装置 |
GP-36 |
GPSロールオーバー発生日:2018年8月5日
GPS航法装置 |
GP-500 |
GPSプロッタ |
GP-1250 / GP-1500 |
2.発生する不具合と原因
GPSシステムは、私たちが日常使用している時刻とは異なる時刻で運用されており、「年月日の有効期限」が起点日から19.6年でリセットされるようになっています。
そのため、基準となる日から19.6年経過した時点で、GPS受信機/航法装置の機器内部の時刻がリセットされ、日付の誤表示/誤出力、あるいは測位動作が不安定になる現象が発生します。この現象を「GPS時刻のロールオーバー問題」と呼んでいます。
3.対応策
- GPS時刻のロールオーバーは、日付が正常に表示されないという問題であり、日付表示を必要としない機器の場合は、そのままご使用になれます。万一動作が不安定になった場合は、お持ちの機種メニュー操作より、「コールドスタート」を実施いただくことで、測位動作は正常に復帰します。(日付データは正常には戻りません)
- 「コールドスタート」を実施しても正常に測位しない場合は、GPS時刻のロールオーバーによる不具合ではなく、故障が発生している恐れがあります。その際には、誠に恐れ入りますが、担当営業もしくは最寄りの支店・営業所へお問い合わせ下さい。
- *(アスタリスク)の付いた機種に限り、日付データを正常に戻したい場合は、機器内部のGPS受信部の交換、もしくはソフトウェアアップデート(いずれも有償)にて対応することができます。
- **簡易型船舶自動識別装置「型式:FA-50」についてはGPSロールオーバーの発生に伴い送信が出来なくなる症状が発生し、機器を再起動しても復帰しません。そのため、ソフトウェアアップデートによる対策が必要です。
【ご注意】
下記いずれかの機器にGPS受信機を接続している場合は、日付情報を利用しているため、対策が必要です。
- GMDSS 機器に接続している場合(インマルサットC 内蔵GPS 受信機含む)
- 船舶安全警報システム(SSAS)に接続している場合
- VMS など船舶管理システムに接続している場合
- ECDIS などでルート表示を行っている機器に接続している場合
- VDR に接続している場合
- AIS に接続している場合
- プロッタなど航跡を記録している機器に接続している場合(記録しなくなる場合があります)
- その他 GPS からの日付情報を利用している機器に接続している場合
誠に恐れ入りますが、ご不明な点等ございましたら、担当営業もしくは最寄りの支店・営業所へお問い合わせ下さい。
お問い合わせ先
古野電気株式会社 舶用機器事業部
当社支店・営業所:http://www.furuno.co.jp/corporate/bases/domestic/